あらきだのメモ箱
- AU 問題(天文単位の永年変化問題)のレビュー記事「地球惑星間距離の永年的変化」 が日本物理学会誌2008年7月号 517 - 523 ページに掲載されました.
2008-09-12 [長年日記]
_ [研究]天文学会@岡山2日目
浅田さんから JGRG18 の招待講演者に予定されていた Krasinsky 氏が 健康上の問題から,参加をキャンセルせざるを得なくなったと言う連絡が ... いろいろ聞きたい事もあったのだけれども,大変残念ですが こればかりはいた仕方ありますまい ... 福島さんの話だと,Krasinsky 氏はそれなりに年配な方だという事なので ... でも,JGRG18 広島には参加の予定.9/20 が〆切なので忘れないこと.
_ [研究]太陽と宇宙線と地球温暖化
とあるお酒の席で(といっても僕はお酒は飲まないのですが),千葉大学の 松元さんから大変興味深い話を聞く.どうも地球温暖化は太陽活動と宇宙線と 密接な関係があるらしいというもので,大体以下の感じだったと思います: 例えば 1600 年代にマウンダー極小期でロンドンの テムズ川が凍ったというのは有名で,太陽活動が停滞していたのは 確かなようなのですが,太陽の光度自体はさほど変化していなかったとの事. しかし,太陽の「磁場」の活動が停滞していて(これは黒点の観測から分かるん でしたっけ?),その結果,太陽系外からの宇宙線が沢山入って来た. この宇宙線は地球の雲を作るのに重要な役割を果たすそうで,宇宙線が大量に 地球に到達したため,雲によって日射量が減少して,結果地球が冷えたのだ という感じの話だったかと(ちょっと記憶違いがあるかも?). この話は Parker 大先生が大分前から指摘していたということ見たいです. もしも,宇宙線が地球環境の変化と関係しているとすると, 例えば放射性元素の存在比とかそういったものから地球の熱史見たいのが 分かると面白いなとか,今,温暖化してるなら,地球上空に沢山加速器を あげて,バンバン粒子を発射して雲を作ればいいじゃん,見たいな話で ちょっと盛り上がる.
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宇宙線と雲量の関係は,Phys. Rev. Lett. の論文
http://prola.aps.org/abstract/PRL/v81/i22/p5027_1
の FIG. 1
http://www.teamrenzan.com/archives/writer/nagai/cycle_cloud_cover.png
にもあるように明らかです.
一方,最近の宇宙線の強度変化は,
http://neutronm.bartol.udel.edu/modplot.html
なんかを見てもわかるように,太陽黒点数と確かに負の相関がありますが,1980年以降も11年周期で振動していますが,特に強くなっているわけではありません.
従って,昔のマウンダー極小期ならいいが,特に1980年以降の急激な気温上昇は,太陽活動の変化(宇宙線量の変化)だけでは定量的には説明できず,残るは人為的な CO2 排出量の増加が犯人であろうと考えるのが常識的な線でしょうか.
以下のページの受け売りですが
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2008-07-21
宇宙線量の変化と雲量の変化に関する論文が,Phys. Rev. Lett. に載っていたのを見つけたときには,ちょっとびっくり.
ちょっと前に天文の人達のなかで丸山さんのこの本(と思われます):
http://www.amazon.co.jp/「地球温暖化」論に騙されるな-丸山-茂徳/dp/4062147211
が話題になっていて,太陽風(太陽磁場)と宇宙線が地球温暖化というか地球環境?
の変化と関係があるらしいということで,ほぉーっ,とか思っていたところに,
今回宇宙線が雲を作るのに重要という話を聞いて驚いていたんですが,
きれいな相関関係があるのにはびっくりです.
確かに,葛西さんがおっしゃるように,マウンダー極小期は説明できても
宇宙線の変化でここ数十年の急激な気温上昇について説明するのはちょっと
難しいのでは?という指摘は,どなたかの日記にも書かれてあったように思います
(牧野さんの日記?)
気が付けば,最近丸山さんはこんな本も出している見たいです:
http://www.amazon.co.jp/科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている-宝島社新書-275-丸山茂徳/dp/479666291X/ref=pd_sim_b_1